2.10.07

帰国

9月30日
帰国日当日

飛行機の出発時間19時まで,時間があったので,テートモダン美術館に最後の観光に行きました.よく分からない現代美術のせいか,引越し準備のせいか,みんな疲れていたので,さらっと見学した後,昼食を美術館でとり,空港へと向かいました.昼食のとき見かけたのが,FREE BEERという面白いビール.ソフトウェアに,オープンソースといって,ソースコードを無料で公開し,誰でも見たり改造したりすることができる権利をもつソフトウェアというのがあります.ただし,このオープンソースを使って改造した場合には,その改造分も含めて,無料で公開しないといけません.このFREE BEERもこのオープンソースの仕組みを採用したものです.レシピが公開されていて誰でも作ったり,これをベースに新しいビールを製造することが許されています.しかし,その場合には,新しいレシピも公開しないといけません.


ホテルに預けていた荷物を取り,ヒースロー空港に地下鉄で向かいました.チケットは,正規片道エコノミーチケットで,会社が購入してくれてました.正規料金の場合,プレミアムエコノミーというビジネスクラスに近いエコノミーを使うことができます.しかし,幸運なことに,ビジネスクラスが空いていたので,アップグレードしてくれました.


残念ながら,出発まであまり時間がなかったため,ヒースローのANAラウンジも使うことも,買い物を楽しむこともなく,飛行機に乗り込みました.最近のビジネスクラスは,さらにグレードがアップしていて驚きました.まず,シートがほぼフルフラットになり,ベットのようになります.さらにマッサージ機能までついています.食事もおいしく,なによりフライトアテンダントの方の丁寧かつ的確なサービスにJapan qualityを再認識しました.隣で,ちっさいくせにビジネスクラスに驚きや喜びをあらわすことなく,シートをフルフラットにして,すやすや寝ている子供たちを,俺でさえ,いまでも,普通の海外出張のときはエコノミー(しかもPEX)なのにー,とか,俺がこのくらいの年のときには,国鉄(古!)の特等席さえ乗ったことないのにとか,思いながら見てました.会社さん,ありがとう.

エコノミー(特に,他人に挟まれた三列シートの真ん中のときなど)のときは,死ぬほど長く感じるフライトも,フルフラットでゆっくり眠れたためか,あっという間に到着しました.貧乏症なのか,なぜか長く寝てしまって損をしたような気がしました.

到着後,日本人専用の入国審査レーンに並んだとき,構内アナウンスが日本語で,くっきりはっきり聞こえたとき,サウナのような湿度を感じたとき,売店の缶コーヒーを見たとき,ペコペコ頭を下げて別れの挨拶をしている団体を見たとき,日本に帰ってきたなと実感できました.

私の車(シトロエン)で迎えに来てくれた兄と一緒に葉山の自宅まで高速で帰りました.それにしても,改めて思いましたが,高速料金が高いですね.ロンドンは物価高ですが,高速料金は無料でした.途中SOHがトイレに行きたいというので,高速を降り,近くのコンビニへよりました.久しぶりのコンビニはピカピカしてました.あの小さいに店舗に,あれだけ豊富な品揃え,ロンドンでは到底まねできないでしょう.

そうこうしているうちに,だんだん,自宅が近づいてきて,なつかしい風景が目に入ってきました.逗子のインターを過ぎ,逗葉道路を抜け,うりゅう館(焼肉屋)の看板を見ながらニヤニヤし,長井交差点を左折し,渡英前にあったレストランやバーなどがつぶれてないのを確認し(葉山は回転が早い),渡英前から大好きだった蕎麦屋「もり兵衛」に寄って,夕食をいただきました.そこで食べたシラス大根,枝豆,もりそばは,最高でした.

こうして長旅も終わり,無事,自宅に到着しました.車を降りると,懐かしい海の匂いがじめじめした湿気の中に少し漂ってました.

日本に帰ると,もっと懐かしいものかなと思ってましたが,1年ぐらいでは,そんなに懐かしい!というものではなく,時差ボケも手伝ってか,なんだか不思議な感覚です.とくに,お店や町村役場などに行って知らない店員や役場の人と話すと,当たり前ですが,向こうはこっちが帰国したばっかりなど知らず,普通に話すので,ずっと日本にいたかのような感覚になります.「ロンドンで生活してたよな?」みたいな感覚です.

ただ,翌日の午後,近所の子供たちが学校から帰ってきて,SOHとHARUを見つけたとき,ものすごく驚き,次の瞬間にものすごく喜んで,「お帰り!!」と言いながら,みんなでワイワイガヤガヤハイテンションで駆けずり回っているのを見ると,あぁ,帰ってきたんだなと実感しました.本当に,田舎の近所付き合いっていいですね,こうやって帰国を楽しみにしてくれている人がいるので.

家族四人にとって,この一年は,苦労が多かったけど,本当に充実した一年だったと思います.私も久しぶりの勉強と,国際的な環境の下で,苦労も収穫も想像を超えるほど経験しましたが,やはり,わけもわからず,私の都合でロンドンに連れてこられた子供たちは,もっと大変だったと思います.でも,本当に貴重すぎる経験をしたことでしょう.あの国際的な環境で,いろんなものを「見てしまった」彼らは,これからどういう価値観・将来感をもっていくか楽しみです.

ステレオタイプ的なイメージとはまったく異なり,とにかくすばらしい街でしたロンドンは.できれば,来年私の卒業式で戻ってきたいと思います.少なくともオリンピックには行きたいですね.

ロンドンに残っているみなさんのご健康をお祈りしています.

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